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2010-02-23

「幸福の科学」考(1)

仏教にもいろいろな考え方や形態があり、それこそスリランカやタイの上座部仏教からチベット仏教まで、日本の中でも法相宗や華厳宗といった南都仏教(これらの宗派は葬式をしません)から、高度で総合的な教義を持ちながら、実践においては大衆の現世利益の願いにも応える天台宗や真言宗(密教は仏教から逸脱しているという不当な批判を受けることもあります)、そして禅宗、浄土系の諸宗派、日蓮・法華系の諸宗派に至るまで、きわめて多様な宗派・教団が仏教として分類されています。

しかし、仏教である以上、いかなる宗派や教団であっても、最低限の共通理解というものがあります。

その一つが、お釈迦様(ゴータマ・ブッダ)は絶対に再び生まれてくることがない、ということであるのは間違いありません。

「こうして、わたしは、生もなく、病もなく、老もなく、死もなく、愁いもなく、けがれもない、無上安穏の涅槃(ねはん)を求めて、ついにこれを得ることができた。その時、わたしに一つの智見が生まれた。--私の解脱はもはや不動である。迷いの人生は尽きた。清浄なる修行はすでに確立した。作(な)すべきことはすでに作(な)しおわった。もはや、再び迷妄(まよい)の人生をうけることはない--と」(『聖求経』増谷文雄訳)

これは当然でして、お釈迦様が出家したのは、輪廻からの解脱を求めてでした。言い換えれば、六道輪廻の迷いの生存を抜け出して、二度とこの世に生まれてこないようにするというのが目的だったのです。そして、悟りを開いたというのは、修行を完成し、輪廻の原因を絶ちきったということですから、もはや、二度と生まれてくるということはありえないというのが仏教徒の立場です。

もし、お釈迦様が再び生まれてくるようなことがあったら、お釈迦様の悟りは偽物であったということになります。仏教二千五百年の歴史を根底から揺るがす、大変な問題になってしまうわけです。

ところが、そういうとんでもないことを平然とうそぶき、しかも自ら仏教を称している不埒な教団の教祖がいます。

言うまでもなく「幸福の科学」の総裁・大川隆法氏です。

「諸々の比丘、比丘尼たちよ。
我はここに再誕す。
我が再誕を喜べ。
我が再誕に気づけ。
我が再誕に、その事実に、その時に、気づけ。」
(『仏陀再誕』大川隆法)

まともな仏教徒であれば誰が喜ぶかというような(えぇ、お釈迦様の悟りってニセモノだったの!?)、とんでもない話ですが、それを大まじめに信じている人が何万人かいるらしいというのですから、驚くやら情けないやらです。

まあ、「仏陀再誕」などと言うこと自体、彼(もしくは彼ら)が仏教を根本から理解していない、というより誤解していることは明白なのですが、だからといって、それが彼(もしくは彼ら)の独創的な誤解というわけではありません。

幸福の科学の教義というのは、基本的にGLAの高橋信次師の教えの焼き直しで、たぶん、大川総裁の父である故・善川三朗氏によって基本が造られたものと思われます(初期の霊言集は善川三朗編として出ています)。

高橋信次師の教えは、仏教用語が多く使われ(釈迦の生涯や般若心経についての著作もあります)、一応、仏教に基づくような形をとっていますが、そのベースは近代西洋のスピリチュアリズムや神智学協会の教義であって、本来の仏教とは無縁な地球の指導霊や、霊魂が輪廻転生を繰り返して向上・成長するといった世界観を持っています。

つまり、仏教系ではなく神智学協会系の教団というべきなのですが、幸福の科学の世界観も、もろにその影響を受けています。

また、実は釈迦の再誕というのも、高橋信次師がすでに言っていることで、幸福の科学のオリジナルというわけではありません。

そういう意味では、幸福の科学だけを批判するというのは不公平な気もしないではありませんが、

①高橋信次師はすでに亡くなっており、現在のGLAではそのあたりのことを説いていない。
②幸福の科学は現在も活発に活動し、大川隆法氏が仏陀の再誕であると称し、しかも政党を作って政治活動まで始めている。
③自分で言い始めたことならまだ見所もあるが、パクリの上に用語など些細な部分のみ変更しただけであるにも関わらず、それで自分が仏陀の再誕、地球系霊団の最高大霊だなどと称するのは、ずうずうしいにもほどがある。
④上記の通り、仏陀が再誕するなどという教義は、仏教とは根本的に相容れないにもかかわらず、仏教系の教団であることを自称している(GLAは諸教系を称している)

という意味で、まあ、世間の大半からは相手にされないだろうとはいえ、やはり、きちんとした見解を提示しておくことは必要だろうと思うわけです。参議院選が近づくと、また幸福の科学について聞かれる機会も増えるでしょうし。

また、統一教会などと並んで、近代以降の、宗教を信じる側からの宗教に対する誤解を集約した教義体系の代表格でもありますから、この宗教の問題を見ていくことは、他の宗教を見ていく場合にも参考になることが少なからずあるだろうと思います。

それで、今後(特に参議院選に向けて)、不定期的に少しずつ幸福の科学について考察していきたいと思います。

まずは、仏陀が再誕するなどという話は、絶対に仏教とは相容れないということを押さえておくところから始めましょう。繰り返しますが、お釈迦様が再誕したとするならば、お釈迦様は仏陀になっていなかったということになるのです。

仏陀は再誕し得ない。

まあ、本当はこれだけで十分なのですが。

人身受け難し 今すでに受く
仏法聞き難し ニセモノを聞く


此の身今生に度す(輪廻から解脱する)どころか、永遠に輪廻を繰り返すよう教えるのですから、魔王マーラ・パーピーヤスも大喜びでしょう。

悲しむべきことです。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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仏教の基本を学べば、幸福の科学などには惑わされずにすむでしょう。
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