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2009-11-24

『ツキの大原則』西田文郎著

書評です。

実は、最近出た宗教関係の新書の書評をしようかと思ったのですが、初めての書評がマイナス評価のものからというのはどうかと思い直し、まず第一弾は今年読んだ本の中でもっともおもしろかったものを取り上げることにしました。

『ツキの大原則』西田文郎著(三笠書房/知的生きかた文庫)

今年読んだ本の中で一番おもしろかったというより、自己啓発関係ではここ数年来で一番です。文庫で手軽ということもあり、あの人にもこの人にも勧めました。

今年の1月に初版が出ていますが、もともと別の出版社から出た本を改題・再編集した本だそうです。

さて、自己啓発関係の本というのは、大宇宙の法則に基づく以上、誰が書いても基本は同じになります。

ですから、アプローチや表現の仕方、切り口、例題、具体的な方法論で差別化を図るわけですが、どうしてもいろいろ読んでいるうちに飽きが来てしまいます。

そんなわけで、しばらく自己啓発関係の本は読んでいなかったのですが、たまたま書店で手にとって、すっかり引き込まれてしまったのです。

といって、内容的に目新しいことがあるかというと、必ずしもそうではありません。というより、ほとんどすべて、すでにどこかでいわれていることばかりではないかと思います。

では、何がそんなによかったのか。それは、変な既成の価値観(特に道徳的・倫理的な)に縛られることなく、ポイントを明確に整理していることです。

まず、著者は「実力とはツキと運の積み重ね」だと言い切ります。私はこれで目から鱗が落ちました。

まあ、私もご多分に漏れず、やはり「運も実力のうち」「実力=能力+努力+ツキ」だと思いこんでいたわけです。ただ、世の中には努力はともかく、才能はそれほどでもないのにツキでうまくいっている人が少なからずいるのに対し、才能があり努力もしているのに成功しない人がいるという事実から、漠然と能力や努力より運やツキのほうが重要ではないだろうかとは考えてはいたのですが。

自己啓発の方面でもツキの重要性は説かれます。しかし、ここまでハッキリと「ツキこそ実力」と言い切っているのは珍しいように思います。

普通は、そう言うと、どこか道徳的良心らしきものがうずいて、どうしても実力は運と努力などと言いたくなります。たいていの自己啓発書も、そのあたりは既成道徳に従順であるように思います。

そのため、肝心なポイントがぼやけてしまうわけです。

しかし、確かに著者の言うとおり、ツキがなければ才能も努力も生かされない。そして、ツキに恵まれたとき、それを生かそうとすれば否応なく努力をしなければいけないわけですが、そういう努力は、人から認められもせず、成功の目処も立たない中での努力よりよほど楽しく、効率も上がるものです。

とすれば、確かにツキこそ実力であると言い切ったほうがよい。そういうスッキリとした割り切りの中から出てくる内容は、すでに耳にたこができるほど聞いてきた内容であっても、新鮮な印象を受けます。

「ツキのある人と付き合う」「小さなことで喜ぶ」など、まあ、言われ尽くしていることですが、それが「成功する」ために実行するというより、「ツキを上げる」ために実行するというほうが、自分として実現したときのイメージを持ちやすいように思います。「成功する」より「ツキを上げる」ということのほうが、自分から見て手前にあるからでしょう。

そんなふうで、非常におもしろいのですが、中でも私が一番「これだ!」と思ったのは、〈ツキのない管理職ほど「よく反省する」〉という一節。

何か問題があったとき、すぐにミーティングを招集して反省させるような管理職はツキがないというわけです。

「不調なときに反省するな。反省は絶好調のときにせよ」と西田氏は言います。

なんと、すばらしい!

私も、これについても世間様のご多分に漏れず、反省はいいこと・必要なことという思い込みがありましたので、「反省はしても、後悔はするな」などと言っていたわけです。

しかし、実際には、反省をすれば、後悔をしなくても生命力が萎えます。生命力が萎えれば、ますますうまくいかなくなるわけで、生命力を萎えさせない(言い換えれば「心神を傷まむること莫れ」)ためには、反省をしないほうがいいのではないだろうかという漠然とした思いがありました。

これに対する西田氏の回答は明確で、「不調なときは、考えれば考えるほど、不調になる」というものです。だから、まずいときには、考えずに思い切りよく行動せよ、事態を打開するヒントやアイディアは行動の中から生まれる、変化の中から生まれるというわけです。

まったくそのとおり!

このあたり、既成の道徳観念に縛られて、なかなか不調のときに反省をしてはいけないとは言い切れないものです。やはり「反省はしても、後悔はするな」というのが限界ではないでしょうか。

これを読んで、私自身もスッキリしました。

企業などもそうでしょうが、特に宗教の世界では、何かあると信者に反省を強要し、あなたが悪いからだ、あなたが変わらなければならないなどと、親切ごかして我々の心と魂を傷つける幹部がウヨウヨしています。でもって、そういう幹部に限って、自分の反省すべき点は他人に押しつけて、自分はまったく反省しない、そもそも反省する必要性すら感じていなかったりするものです。

不調なときは反省するな。これだけで、どれだけ人生が明るくなることか。

人生が明るくなれば幸せになることができます。逆は不幸の原因。宗教をやっていてなかなか幸福になれない人が多いのは、不調のときに反省してしまう(反省させられる)ことも大きな要因ではないでしょうか。

そんな意味でも、特に何かの信仰をやっている人は、自分の信仰を見直すためにも、ぜひ考えてみていただきたいものだと思います(自分に問題がある場合と、教団に問題がある場合と、教祖の教えに問題がある場合とがあるでしょうが)。

西田氏はほかにも著書がありますが、その中でも『ツキの大原則』が一番おもしろいように思います。

お勧めです。

★★★★★(星五つ)


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theme : 書評
genre : 本・雑誌

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おすすめでした!

以前、こまいぬさんからこの本を紹介して頂き、嬉しい転換を実感できました。

お陰様で、ツイてる脳になりました~。
本当に有り難うございました。

「・・・何かあると信者に反省を強要し、あなたが悪いからだ、あなたが変わらなければならないなどと、親切ごかして我々の心と魂を傷つける幹部がウヨウヨしています。」

まったく、困ったもんですね!

Re: おすすめでした!

>しーさー様

いつもありがとうございます。

> お陰様で、ツイてる脳になりました~。

本当によかったですね。
本を読んだだけでなく、それを生活に取り入れたのが
結果に結びついたのだろうと思いますよ。
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