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2010-04-15

「幸福の科学」考(3)前編

幸福実現党の2010年4月主要政策なるものがありました。

まあ、政策三本柱という「新・富国」「新・強兵」「新・学問のすすめ」については、詳細に見れば突っ込みどころなどあるのかもしれませんが(というか、結構雑な内容なので、専門的な知識を持っている人にはいくらでもつっこむことが可能なのではないかと推測しますが)、私自身は政治や経済について詳しいわけではありませんので、特に意見はありません。

まあ、政策についてパッと見た感じでは、保守の側のいいとこどりというか、自民党その他の保守政党にしっかり言ってもらいたいことをちゃんと言っているという印象です。ただ、当面、宇宙への大規模進出が期待できない状況で、高度経済成長を目指すというのは時代錯誤ではないかと思いますが。

経済の縮小は避けるべきだし、景気の回復を図ることは当然としても、その後は安定成長でなければ、地球が保たないでしょう。そういう意味での価値観の転換が求められていると思うのですが、地球系霊団の最高指導者であるエル・カンターレには、21世紀に必要とされる新しい価値観や発想がないようです。

だいたい幸福の科学は、自分たちでは唯物論を否定する立場のように思っていますが、基本が19世紀から20世紀初頭の(そして、その残滓である戦後日本の)進歩至上主義ですから(だから仏教的=インド的な輪廻が理解できず、神智学協会などの魂の成長という輪廻観を持っている)、時代を先取りしているつもりのようで、実際には百年遅れています。

また、上記と関連しますが、積極的な人口増加について、若い人が子どもを産み育てることができる環境を整え、極端な少子高齢化を避けるべきことは当然ですが、だからといって人口増加まで必要だろうか、という疑問があります。まして、外国人の積極的な受け入れには疑問とせざるをえません。

まあ、それでも国内の交通インフラや未来産業への積極的な投資とか、国防の充実、防衛産業への積極投資、公立学校の充実、日本人としての誇りが持てる歴史教育や道徳・宗教教育など(ただ、幸福の科学の歴史観や人物評価は御免被りますが)は、必要なことだと思います。

問題は、幸福実現党の人たちが、それらの政策の意味をどれほどきちんと理解しているかということで、確たる思想も理論もなく、良さそうなものがあれば何でも詰め込むという発想ではないかと疑われます。これは、中途半端な左翼などよりも、よほど有害である可能性があります。

また、それが大統領制を云々するような、まっとうな日本の保守主義者なら絶対に容認しない、また、中道左派までの人なら基本的に口にしないようなことを平気で言えるところにもつながっているように思います。

しかし、まあ、そういうことは「幸福実現党」考であって「幸福の科学」考にはなりません。今回は、この「2010年4月主要政策」から見える幸福の科学の問題点を二点ほど取り上げたいと思います。

その第一は「霊言」の問題です。

この主要政策のパンフレットでも、松下幸之助、二宮尊徳、西郷隆盛、福沢諭吉の「霊言」なるものが引用されています。こういうのは絶対に許せないと思う一方で、あまりの愚かさに呆れ果ててしまいます。

例えばイタコの口寄せには遺族の心のケアという意義がありますし、ユタや拝み屋さんが霊の言葉を語るのは具体的問題解決の糸口を求められいるからです。それでも、迂闊に死者の言葉を代弁するというのは死者の冒涜になりかねませんから、慎重の上にも慎重であることが求められます。

まして、大川隆法氏のように、自分に都合のよい「霊言」を人を動かしたり説得するための道具として用いるなどと言うのは冒涜以外の何ものでもありません。まあ、ろくな末路にならないことは間違いありませんが、畏れを知らないというか。

一番やってはならないことです。

でもって、じゃあ、その霊言の内容がどのようなものかというと…

「新幹線の時代からリニアの時代に入ったら、経済規模は三倍になる」(松下幸之助の霊言)

「『経済成長なくして増税なし』というのが基本です」(二宮尊徳の霊言)

「われらが国をつくった気概を理解せぬ者たちは、もう一度国家なるものがなくなったらどうなるかということを、身にしみて、その危機感の中で真剣に考えねばならない」(西郷隆盛の霊言)

「国民に教育を与えようと国家自体が取り組んだお役所的な国家丸抱え体質の時代がもう終わったんだと思うんです」(福沢諭吉の霊言)

……これって、わざわざ霊言として語るほどの意味がある内容でしょうか? 偉人の霊が語っているという設定だから有難く感じるのかも知れませんが、霊が語ったという点を差し引けば、特別注目させられる内容はありません。

西郷隆盛と福沢諭吉の霊言なんて、日本語としてもおかしいですよ。

松下幸之助の「経済規模が三倍」なんて、無責任極まりありません。三倍の根拠は、松下幸之助という「経営の神様と呼ばれた人の霊がそう言っている」というだけのことです。むしろ、ある程度根拠のある試算をして提示するべき性質のものでしょう。

でなければ、地球霊団の最高指導者たるエル・カンターレが、自らの権威に基づき、自らの言葉として語ればいいことじゃないでしょうか。そこに松下幸之助の霊などという怪しげなものを介在させるところに、大川隆法氏の自信のなさと姑息さが現れていると思います。

よく私の師匠が「霊の言葉を根拠にするというのは、人を説得することができるだけの実績も理論も知識もない連中がとる、もっとも安易で卑怯な方法だ」と言っていましたが、まあ、その典型といえるでしょう。

しかし、普通の人なら、政党の政策のパンフレットに霊言なんかが載っていたら、それだけで引くと思うのですが、堂々と載せているというのは、彼らがそれに疑問を持たず、人に訴えかける力があると錯覚しているからでしょう。

そもそも釈尊は霊媒みたいなマネなど一度たりともしていない、まったくそういうこととは無縁であるということを考えれば、過去の偉人の霊言などに頼る大川総裁の程度もわかろうというものです。

釈尊など、ヴェーダを根拠として教えを説くことすらしませんでした。

仏陀の再誕だとか、地球霊団の最高指導者とかいうのであれば、もっと的確に世の人々を納得させうる話を、霊言などを根拠とせず、ご自分の言葉でしゃべったらどうですか、と思うわけです。

もう一つの問題点である「宗教立国」については次回。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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