--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010-04-27

「幸福の科学」考(4)

日本仏教と輪廻転生(前編)
日本仏教と輪廻転生(中編)
日本仏教と輪廻転生(後編)

幸福の科学の大川隆法総裁が書いた『仏陀再誕』に、次のような文章があります。

「もろもろの比丘、比丘尼たちよ。
 私は、おまえたちに、これだけはどうしても言っておきたいのだ。
 お前たちの最低限の仕事として、
 人々に永遠の生命を教え、
 また人間が
 この世とあの世を転生輪廻している存在であるといういうことを
 教える必要があるということなのだ。
 実は、この思想こそが、
 人間として生まれ、生き、成長してゆく過程において、
 発見するところの最大の真理であるのだ。
 ほかにいかなる地上的真理を学ぼうとも
 それらの真理の値打ちは、この真理にはかなわない。
 この真理から見れば、子供だましにしかすぎない。
 人間が永遠の生命を生き、転生輪廻をしているという事実、
 その事実を知った時に、人々の価値観は変わらざるをえない」

 (大川隆法『仏陀再誕』幸福の科学出版)

3回にわたって、輪廻と因果応報を仏教の中心的思想と考えるのは、中国に仏教が受容される際、儒教の矛盾を解消する思想として輪廻と因果応報に感銘を受けた士大夫たちが、それらをもって仏教の根本義だと考えたためということを見てきました。

もともと輪廻と因果応報は仏教の前提、言い換えれば「仏教以前の内容」であって、文学を学ぶのであれば読み書きができるのが前提、数学を学ぶのであれば四則演算は当然わかっていなければならないというようなものです。

それはそのはずで、本来、仏教はどうすれば輪廻の生存から解脱できるのかという教えですから、輪廻を前提としなければ輪廻からの解脱もしようがありません。

それはいいのですが、しかし上に引用した『仏陀再誕』にあるように、それを「最大の真理であるのだ」などと言われると、読んでいるほうが恥ずかしくなってしまうわけです。それこそ読み書きそろばんができるようになっただけで、すっかり世界最高の知識人になったと思い込んでいるようなものです。

いや、思い込んでいるだけならいいのですが、それを触れてまわった上に、周囲の人にもそう思い込ませようとしているのですから、迷惑な話です。まあ、わかった人にとっては単なるもの悲しい喜劇でしかないのですが。

輪廻を最大の真理だなどという時点で、大川隆法氏が仏陀=釈尊とは何の関わりもないことがよくわかります。再誕どころか(彼は自分が釈尊であった記憶を持っているかのように騙っていますが)、根本的に釈尊の思想すら理解していません。

もちろん、幸福の科学の人たちは、仏教徒が仏陀=釈尊の正しい教えを忘れてしまったのだと言いたいところでしょうが、そうは問屋が卸しません。

本当に大川氏が説いているような内容を仏教徒が知らないのであれば、忘れたと言っても根拠がないわけではありません。しかし、実際にはちゃんと知っている上に、それ以上の内容も伝わっています。

むしろ、大川氏が仏教の入り口以前の内容だけを知っていて、釈尊が本当に説かれた内容を知らないために、入り口以前の内容を「最大の真理」だなどと誤解しているに過ぎません。

しかも、その誤解は大川氏のオリジナルというわけではなく、すでに今から約千七、八百年前、中国の士大夫たちによって誤解された内容をそのまま引き継いでいるわけです。もちろん、その誤解は日本人の道徳性の高さを育てた大きな要因の一つですから、それ自体には価値があるとはいえ、それを忘れられた釈尊の教えだとするのは無理でしょう。

あぁ、恥ずかしい。

そんなわけで、大川氏が「転生輪廻」こそ「最大の真理」と説いている時点で、仏陀の再誕どころか、釈尊の教えをまったく知らないだけの人物だということがわかるのですが、さらに深読みすれば、もっと恐ろしい解釈も可能です。

釈尊がブッダガヤーの菩提樹のもとで瞑想に入ったとき、魔王マーラ・パーピーヤスは釈尊が悟りを完成し、輪廻から解脱する道を確立することによって、自分の領域が脅かされることを恐れ、釈尊の悟りを妨害しようとします。

マーラ・パーピーヤスは死を司るため、輪廻から解脱され、生死の繰り返しから脱出するということは、魔王の支配から離れるということでもあります。ですから、魔王マーラにすれば、輪廻を繰り返して自分の領域に留まらせたいわけです。

そう考えたとき、永遠に輪廻を繰り返すことこそ最大の真理と説く幸福の科学の教えは、仏法とは称していますが、実は魔王マーラ・パーピーヤスにとってこそ都合のいい教えであることがわかります。

しかも、大川隆法氏は自ら仏陀の再誕と称することによって、釈尊が仏陀、すなわち輪廻からの解脱を果たして、二度と生まれてくることがないという仏教の核心を否定しているわけです。

いくら日本仏教が輪廻と因果応報を中心に置いているからといって、最終目標が解脱であることは決して忘れていませんし、仏陀=釈尊が再び地上に誕生するなどとは夢にも考えません。弥勒という新しい仏が出現すると考えているのであって、例外はありません。

つまり、大川氏もしくは大川氏を操っている霊的存在の目的は、仏教の否定と破壊にあると見るのが自然です。魔王が仏教を装いながら釈尊の教えを否定し、信者を永遠の輪廻に閉じ込めて、未来永劫、自分の支配下に置こうとしているという解釈も可能であるわけです。

「我が声を発した時、
すべての弟子たちは我がもとに集い来らねばならない」
(『仏陀再誕』)

実に、これこそ人々を永遠の輪廻に閉じ込めながら、自らの支配下に置こうとする魔王の呼びかけといえるでしょう。

しかも、魔王マーラは第六天魔王と呼ばれ、大自在天と同一視されることもあります。大自在天といえばシヴァ神であり、言うまでもなくオウム真理教の崇拝対象です。出現した時期がほぼ同じで、よく対比されたオウム真理教と幸福の科学を操っている霊系が同一だとすると…

まあ、一つの解釈ですが。

幸福の科学の人たちは、批判する我々に対して来世の報いを心配しているのだろうとは思いますが、本当に心配なのは彼ら自身の来世です。願わくば正しい釈尊の教えを知って、早く(実体としてか、喩えとしてかはともかく)魔王の支配から抜け出してもらいたいものです。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

↓一日一回クリックの応援をお願いします。
人気ブログランキングへ

釈迦の本―永遠の覚者・仏陀の秘められた真実 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica 9)釈迦の本―永遠の覚者・仏陀の秘められた真実 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica 9)
(1994/05)
不明

商品詳細を見る
スポンサーサイト

theme : 宗教
genre : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

こまいぬ

Author:こまいぬ
古今宗教研究所のブログです。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ランキングに参加しました
人気ブログランキングへ
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。