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2010-06-19

江島杉山神社の岩屋

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墨田区千歳一丁目(もとの本所一ツ目)に江島杉山神社があります。近代鍼術中興の祖とされる杉山和一(杉山検校)の屋敷跡で、世界最初の視覚障害者教育施設とされる「杉山流鍼治導引稽古所」があった場所です。

初音森神社の兼務社で、普段は人がいらっしゃらないのですが、例祭なら宮司さんもいらっしゃるだろうということで参拝したところ、予想は的中、無事に御朱印をいただくことができました。

江島杉山神社公式サイト


江島杉山神社

御祭神は市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)、杉山和一検校(すぎやまわいちけんぎょう)、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)

杉山和一は慶長15年(1615)、安濃津(現在の津市)に生まれたとされます(諸説あるようです)。幼い頃に伝染病で失明しました。16歳の時、江戸の盲人鍼医・山瀬琢一に入門しますが、記憶力が悪く、技術も向上しないため、22歳で破門されます。

そこで、江ノ島弁財天に詣で、岩屋に籠もって二度の断食修行を行いました。その帰り、石に躓いて倒れたときに、何かが手に刺さりました。何かと思うと、丸くなって管状になった枯れ葉の中に入った松葉でした(竹の筒の中だったとも)。そこから鍼の施術法の一つである管鍼法(かんしんほう)を思いついたと言われます。

その後、京都で入江豊明に師事し、江戸に戻って開業すると、鍼の名人として評判を呼びました。
寛文10年(1670)検校になり、天明2年(1682)には、世界で初めての視覚障害者教育施設とされる「杉山流鍼治導引稽古所」を糀町に開いています(後、本所一ツ目に移転)。これは、1784年にフランスでヴァランタン・アユイが開設した盲学校より約100年早く、これによって視覚障害者が鍼・あんまによって生計を立てる道が開かれました。

さらに五代将軍・徳川綱吉の持病を治療したことから信任を得、幕府に召し抱えられて、屋敷を拝領し、さらに盲人の全国組織である当道座の総検校に任じられます。

深く江ノ島の弁財天を信仰し、江ノ島の下ノ宮(現・辺津宮)の社殿や三重塔を再建しています。

元禄6年(1693)本所一ツ目に3千坪あまりの土地を拝領しますが、これには逸話があります。

和一の献身的な治療に感銘を受けた綱吉が、ある時「何か欲しいものはないか」と尋ねたところ、和一は「ただ一つ目が欲しゅうございます」と答えました。そこで、綱吉は本所一ッ目と呼ばれていた現社地に土地を与えることにしたそうです。

そして、和一が年老いてなお、江ノ島の弁財天へ月参りを欠かさないことを案じ、屋敷内に江ノ島弁財天を勧請し、江ノ島への参拝はほどほどにするようにと命じました。これが江島杉山神社の始まりで、かつては本所一ッ目の弁天様として信仰を集めました。

江島杉山神社には、碑文が点字の「杉山検校頌徳碑」があります。


杉山検校頌徳碑

さて、江島杉山神社境内の一角に、江ノ島の岩窟を模した岩屋があります。神社そのものは、明治の神仏分離で普通の神社になっているのですが、岩屋のほうはかつての神仏習合時代の名残があり、非常に興味深い場所です。


岩屋の入り口、手前の石碑は「いわやみち(岩屋道)」

内部はL字に近いT字型になっており、正面には杉山検校の石像が祀られています。


杉山検校

左に曲がると、奥に稲荷社がありますが(表示はありませんが、神幕の紋が稲荷の抱き稲と宝珠です)、祀られているのは人面蛇身の宇賀神(うがじん)です。


宇賀神(顔は老人で、体はとぐろを巻いた蛇)

現代の感覚では不気味な感じですが、もともと蛇は水と関係が深く、また鼠の天敵でもあることから、水神・穀物の神として敬われました。倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と同一視され、稲荷神とされました。後に弁財天とも習合し、弁財天の頭に鳥居と宇賀神が乗る「宇賀弁財天」の信仰が広がりました。

日本三大弁財天の一つとされる江ノ島の八臂弁財天も宇賀弁財天です。

宇賀神を祀った神社というのは、明治以降、たいてい弁財天と同一視された市杵島姫命(いちきしまひめ)を祀る神社になっています。確かめたわけではありませんが、稲荷として祀っている例は少ないだろうと思います。

江島杉山神社の御祭神に倉稲魂命が入っているのは、この宇賀神から来ているのだろうかと思われます。

そして、反対側(岩屋に入って右側)には、風化が進んでわかりづらいのですが、弁財天と宗像三女神(むなかた さんじょしん)の像が祀られています。


上段が宗像三女神、下が琵琶を抱えた弁財天

宗像三女神とは、多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・多岐都比売命(たぎつひめのみこと)で、天照大神(あまてらすおおみかみ)と素盞嗚尊(すさのおのみこと)が誓約(うけい)によって生まれた五男三女のうちの三柱の女神です。

宗像大社を総本社とし、胸形氏らによって祀られた神ですが、中でも市杵島姫命は弁財天と同一視され、明治以降、弁財天を祀った寺社の多くは市杵島姫命を祀る神社になっています。しかし、この像を見ると、宗像三女神と弁財天を同一視するという感じです。

現在、江ノ島の江島神社では奥津宮に多紀理比賣命(多紀理毘売命、上の写真では一番左)、中津宮に市寸島比賣命(市杵島姫命、上の写真では真ん中)、辺津宮に田寸津比賣命(多岐都比売命)を祀っていますが、その様子を表しているように思えます。

非常に興味深いものです。

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