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2009-12-21

善因楽果・悪因苦果

いよいよ因果応報について考えていきたいと思います。

因果応報といえば、一般的には、善いことをすれば良いことが怒り、悪いことをすれば悪いことが起こるという意味で「善因善果・悪因悪果」といわれます。しかし、これは厳密には不正確で、「善因楽果・悪因苦果」が正しいとされます。

善なる因からは自分にとって望ましい結果(楽果)、悪なる因からは自分にとって望ましくない結果(苦果)が生じますが、それらの結果は善でも悪でもないからです。

これだけではわかりにくいので、例を挙げて考えてみます。

例えば盗みを働いて、刑務所に入れられたとしましょう。

盗みは悪因ですが、刑務所に入ることは自分にとって望ましくない結果(苦果)であっても、悪なる結果とはいえません。

なぜなら、刑務所に入れられることによって反省し、二度と犯罪には手を染めるまいと考える可能性もあるし、逆に、悪い仲間と知り合って、出獄後、もっと悪い犯罪を起こす可能性もあるからです。

つまり、「刑務所に入る」という結果そのものは善でも悪でもないと考えられるわけです。

また、逆に奉仕活動を長年続けてきたことが評価され、表彰されて、周囲から高く評価されるようになったとしましょう。

奉仕活動は善因ですが、表彰や周囲からの高い評価は自分にとって望ましい結果(楽果)であっても(そんな評価を望んでいるわけではないという人もいるでしょうが、嫌な思いはないでしょう)、善なる結果とはいえません。表彰を励みに、より熱心に奉仕活動を続ける可能性もありますが、逆に、高慢になったり、変な利権がくっついて変質したりという可能性だってありうるからです。

仏教的な観点から見れば、刑務所に入ったり、表彰されたりというのは、苦(望ましくない)・楽(望ましい)の結果ではあっても、それ自体が善悪の性質を持っているわけではなく、「無記(むき)」(善でも悪でもない)とされます。

ただし、仏教では因・果をそれぞれの関係から六因・五果に分類し、上記のような善悪の因から無記(善でも悪でもない)果を生ずる関係における因と果を、異なる性質の果を生じるという意味で「異熟因(いじゅくいん)」「異熟果(いじゅくか)と呼びます。

※縁も四種類に分類して四縁といいますが、ややこしくなるので省略します。

当然、因果関係の中には善悪の因から同じ性質の果が生じるというものもあり、そこでは「善因善果・悪因悪果」が成り立ちます。このような場合の因と果を「同類因(どうるいいん)」「等流果(とうるか)といいます。

どういうものかというと、善い行為をすると善い心が生じ、悪い行為をすると悪い心が生じるといったものとされます。

例えば、一度万引きをしたことによって盗みに対する抵抗感がなくなり、二度三度と繰り返すようになるというのは「悪因悪果」の同類因・等流果になります。さらに悪い仲間とつるむようになって、薬物に手を出したり、振り込め詐欺集団のメンバーになったり…というような展開もあるでしょう。

嘘をついたら、その嘘を維持するために次の嘘をつかなければならなくなり、さらに嘘に嘘を重ねることになる…というのもそうです。

逆もしかりで、例えば人に親切にしたら喜んでくれたのが嬉しくて、2度3度と繰り返すうちに、困った人がいると自然に手をさしのべるようになるなどというのが「善因善果」の同類因・等流果です。子供のときに作文が好きで、それが高じて文芸部に入り、小説を書くようになり、新人賞に投稿して入選して作家になったなどというのもそういう類になるでしょう。

六因・五果は他にも能作因・増上果などいろいろありますが、いちいち取り上げると煩雑になりますし、因果応報を考える上ではとりあえず異熟因・異熟果、同類因・等流果を理解すれば十分です。

ですから、あまりややこしい内容は省略して、異熟因・異熟果と同類因・等流果からみた因果応報の実際について、もう少し考えてみたいと思います。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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