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2009-12-30

百八煩悩(3)

今日は九十八随眠(きゅうじゅうはち ずいめん)について見ていきます。

随眠(ずいめん)というのは根本煩悩のことであり、(とん)(しん)(ち)(まん)(けん)(ぎ)の6種類があり、六随眠といいます。この六随眠のうち、「見」を五つに分けると合計10種類になります。これを十随眠といいます。

この十随眠は、学習と修行によって徐々に消滅していきます。その消滅の過程に基づいて98に細分化したのが九十八随眠です。昨日はここまで説明しました。

では、どのようにして98になるかを説明していきたいと思います。

まず、十随眠を三界五部に分けます。

三界とは衆生が六道の迷いの生存(輪廻)を繰り返す世界を欲界・色界・無色界の三つの世界に分けたものです。

・欲界(よくかい)…欲望の支配する世界。食欲・淫欲・睡眠欲の三欲がある世界。無間地獄から人間界、下層の天界までを含む。
・色界(しきかい)…清らかな物質から成り立つ世界。欲界の汚れを離れ、欲望を断じたが肉体を持つ者が生存する世界。欲界の上にある天界。
・無色界(むしきかい)…物質の存在しない、精神的要素のみからなる世界。


この三界を超えた世界が仏様の悟りの世界ですから、欲界から色界、無色界の順に修行のレベルを表しているといってもよいでしょう。

五部とは、まず煩悩を「見所断(けんしょだん)「修所断(しゅうしょだん)の二つに分けます。見所断とは真理(仏法)を理解することによって断ち切ることのできる煩悩、修所断とは修行(瞑想)を実践することによって断ち切ることのできる煩悩です。

見所断は見苦所断(けんくしょだん)見集所断(けんじゅしょだん)見滅所断(けんめつしょだん)見道所断(けんどうしょだん)の四つに分けられます。仏法の基本は四聖諦(ししょうたい)、すなわち四つの聖なる真理とされますが、その四つの真理に対応して見所断を分類するわけです。

・苦諦(くたい)…この世は苦である(縁起による諸行無常・諸法無我の世界であって、思い通りにはならない)という真理。
・集諦(じったい)…苦の原因(苦を集め起こすもの)は煩悩であるという真理
・滅諦(めったい)…苦の滅した状態は理想の境地であるという真理
・道諦(どうたい)…八正道こそが苦を滅する道であるという真理


以上四つをまとめて苦集滅道(く・しゅう・めつ・どう)といいます。

ですので、例えば見苦所断とは「この世は苦である」という真理を理解することによって断ち切られる煩悩ということになります。

この見苦所断・見集所断・見滅所断・見道所断に修所断を合わせて五部となります。

そして十随眠と五部の関係ですが、まず、見所断には十随眠のすべてが含まれますが、修所断に含まれるのは貪・瞋・癡・慢の四つだけです。というのは、五見と疑は知情意のうち理知的な側面にのみ関わるため、真理を理解することによって断ち切られるからです。それに対して、残りの四つは情と意に関わるため、真理を理解するだけでなく、修行(瞑想)の実践が必要になります。

また、欲界には十随眠すべてがありますが、色界・無色界には瞋がないとされます。思い通りにならないからといって腹を立てるようなことは、早々に卒業しなければならないということになるでしょうか。

五見のうち、有身見と辺執見は、自分という存在が縁起によって生じた無常・無我なるものである、つまり苦諦についての誤った見解なので、見苦所断にのみ含まれます。

また、戒禁取見は誤った見解に基づく戒律や禁制が悟りに至る道だと執着する見解で、八正道すなわち道諦の否定ですから、見道所断に含まれます。また、その誤った見解や戒律・禁制は縁起によって成立した無常・無我なるものであり、その無常・無我なるものを絶対的なものとして執着しますから、見苦所断にも含まれます。

邪見は縁起・因果応報の否定で、四諦すべてを否定しますから、見苦所断・見集所断・見滅所断・見道所断すべてに含まれます。また、見取見は四諦ではない誤った見解をもっとも優れていると見なすわけで、やはり見苦所断・見集所断・見滅所断・見道所断すべてに含まれます。

以上を整理すると下の表のようになります。



こうして見所断が88、修所断が10、合計98になります。これが九十八随眠です。そして、これに十纏(じってん)を加えて108になり、百八煩悩となるわけです。

明日は十纏について説明したいと思います。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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