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2010-01-04

善と悪について(1)

しばらく年末年始に関わる話題を取り上げてきましたが、気分を切り替えて、因果応報についての考察を再開したいと思います。

因果応報については、荻野さんからいただいた質問のように、普通の人なら漠然とそういうこともあるだろう、あるいはあってほしいと思いながらも、現実には一時的にせよ悪が栄えたり、善意でしたことが報われなかったりということが多いために、今ひとつ信じがたいという人が多いのではないかと思います。

これについては、まず因果応報は単純な一因一果の関係にあるのではなく、仏教の基本である縁起、すなわちすべては複数の要因から生じるという観点から見るべきだということを説明してきました。

また、因果関係には善因楽果・悪因苦果「異熟因・異熟果」善因善果・悪因悪果「同類因・等流果」があることも説明しました。

このような内容を知るだけでも、因果応報というものに対するイメージがずいぶん変わるのではないかと思います。

しかし、因果応報ということを考える際には、もっと基本的な問題を検討する必要があります。

その問題とは、善悪とは何かということです。言うまでもないことですが、何が善で何が悪かを明確にしなければ、実際には善を行ったつもりが悪であったり、相手のしたことが悪だと思っていたら善だったなどということが起こりうることになります。というか、現にそういうことが多いのではないでしょうか。

そもそも善と悪の定義については諸説紛々ですし、善悪の範囲も時代や社会的・文化的な背景によって変わります。また、ここの問題に関しては、同じ時代の同じ社会的・文化的背景の中であっても、結構個人による違いがあるものです。ですから、大まかな一致はありえても、厳密な一致など可能だとは思われません。

結局、個人であっても、集団であっても、現実には自分たちの都合で善悪を決め、善いことをしたのに報われないとか、悪いことをした人がうまくやっているなどと勝手にやきもきしたり、憤慨したりしているものです。

これでは因果応報などといってもあてになりません。ですから、因果応報を考える上では善悪についてきちんと範囲を決めることが重要なのです。

では、どのように考えればよいのでしょうか。

仏教では、すべての業(カルマ)を善・悪・無記(むき)の三性(さんしょう)に分けます。無記とは善でも悪でもないものです。

そして、善・悪・無記をどう分けるかというと、

・善…楽(自分にとって望ましい)の果を生ずるもの
・悪…苦(自分にとって望ましくない)の果を生ずるもの
・無記…楽の果も苦の果も生じないもの


ある意味で非常に明快です。楽の果を生ずるものが善、苦の果を生ずるものが悪というのですから、100パーセントの確率で善因楽果・悪因苦果が成立します。要は結果から考えればいいわけです。

しかし、このような分類には納得できないという人も結構いるかもしれません。例えば悪人がずるをして自分の思い通りに事を運んだ場合でも善なのか、あるいは善意でやったにもかかわらず望ましくない結果に終わった場合でも悪なのか、ということは誰でも考えることだと思います。

これについて言えば、必ずしも前者が善で後者が悪とは言い切れませんが、しかし、基本的には苦楽の果によって善悪が決まると認めた方がよいと考えます。なぜなら、そうすることによって、自分たちの都合とは関係のない、この世の善悪というものが見えてくるからです。

そういう観点からの善悪について考えていきたいと思いますが、その前に、必ずしも苦楽の結果で善悪を決めきれないということについて説明をしておきたいと思います。

まあ、その理由は簡単で、第一に縁起は複数の要因によるので、そのこと自体が善であっても、他の要因によって望ましくない結果になるというのはありうるということ、第二に異熟因・異熟果というのはいつ結果を生じるかわからない上、その果も複数あるので、その時生じた一つの果だけで善悪を決めることは難しいこと、この二点によります。

この点も含め、善悪についてさらに詳しく考えていきたいと思います。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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