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2010-02-18

先祖の因縁(8)

先祖の因縁を考えるときに、自分が親や先祖の影響を受けているということについて全面的に否定する人というのは、まずいないのではないかと思います。

例えば、今では胎教の重要性は常識になっていますが、胎教というのは胎児が自分の人生を考えて選択するものではなく、親が一方的に与えるものです。つまり、本人のあずかり知らないところで、人生の重要な部分が決められているわけです。

あるいは、仕事などで行き詰まったとき、自分の父親の世話になったことがあるという人が手助けをしてくれたときなどは、いい意味で親の因果が子に報いたといえるでしょう。当然、逆もあるでしょうが。

生まれる家によって、毎月1,500万円も母親から小遣いをもらえる人もいれば、学費や生活費を自分で稼がなければならない人もいます。いくら人間は平等だといっても、現実にはいろいろな境遇があります。

もし、経済的なスタート地点を平等にするとしても、親や先祖から受け継いだ気質や体質、価値観といった違いは解消されません。

そういう具合に、因果関係がある程度はっきりしていることに限定すれば、先祖の因縁を認めることにはやぶさかでないと思います。

問題は、例えば先祖が殺人をしたから、子孫がその報いを受けるといったような因果関係が不明確な問題について、それを認めるかどうかというような問題です。

これについて、因果応報という観点から考えれば、何らかの報いを受けるということは間違いなくある、ということになります。ただし、どのような報いを受けるか、ということについては、わからないと言わざるをえません(悟りを開くとわかるようになるらしいですが)。

というのは、これまで何度も書いてきたように、何かの果報は複数の要因(因と縁)によって生じますから、先祖が人を殺したということのみを持って、受ける果報が決まるなどということはありえないからです。

まして、先祖の数を数えてみたら明らかですが、10代さかのぼれば千人を超え、20代さかのぼれば100万人を超えます。実際には重複がありますから、それほどの数にはならないとはいえ、大変な数の先祖がいることは間違いありません。つまり、関係する要素は極めて多いということです。

あるいは、人を殺したという先祖にしたところで、人生の中でやったことは殺人だけかというと、そんなことはあり得ません。やはり、たくさんのようその中の一つに過ぎないのです。

つまり、先祖が何をしたから、あなたの人生はどうなるなどという話に対しては、まともにつきあう必要はない、ということです。

では、因果関係が明白でないことについて、先祖の因縁をどう考えればよいのでしょうか。

これについては、「因果応報を信じるとは」で書きましたが、結局、自分の生き方の問題という観点から考えるべきだと思うのです。

昔の日本人には、不幸な境遇に置かれたときには、人を恨むのではなく、「自分が罪深いからだ」あるいは「○○家の業ゆえだ」と受けとめ、その境遇の中で不平を漏らさずに努力した人がたくさんいました。また、そのような中で人格がみがかれ、人から尊敬されるようになっていったわけです。

自分が罪深いというのは前世の因縁、○○家の業というのは先祖の因縁に基づくものでしょうが、いずれにせよ、他人を恨まず、幸も不幸も自分次第と決意して、よりよい人生を作り上げようとしたわけです。

悪いことばかりではありません。よいことについては先祖のおかげと感謝し、叱るときでも仏壇の前で先祖に謝らせたと聞きます。先祖とのつながりを意識し、先祖に恥ずかしくない人生を送るという価値観が、日本人の高い道徳性を維持する原動力になっていたわけです。

このあたり、表面的には宗教的といわれるアメリカ人などとはまったく違うのではないかと思います。都合が悪くなれば、自分たちの都合がいいようにルールを変えるという感覚は、神様、神様といいながら生きた人間(自分たち)中心の彼らの信仰観に基づいているように思います。

それはともかく、先祖の因縁という問題は、単に先祖のどのような行為が自分に影響しているかというような問題ではなく、先祖との関わりの中で生かされている自分ということを意識することではないかと思うわけです。

心神(わがたましい)を傷ましむること莫れ。ありがとうございます。

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